本当に世界はフラット化したのか

さて本日は世界は本当にフラット化したのか?
新型コロナウイルスの爆発的感染は一つにはこのウイルス自体の特性もあったと思いますが、何よりも現代の交通手段の発達と言う要因は外せないでしょう。
通信インフラも超絶的に進み、欲しい情報は即座に手に入ります。日本と世界の距離は無くなり、まさしく世界は一つとなったかの様な気になりますが、果たして…
まずは復習です。
◼️ゲマワットによるグローバル化の定義
「経済活動が何もかも統合されて完全に一つの国のようになった状態」
ハーバード大学経済学者ジェフリー・フランケルが2001年に発表したデータ分析の結果によれば2000年に米国の世界GDPの割合は25%だったそうです。
もし完全なグローバル化が実現していれば残りは全て海外から輸入されているはずなので
→75%は輸入となるはずですが…
しかし調査によると実際には12%前後という事がわかりました。
比べて日本もGDP比率は12%、輸入は7~8%でした。
幾つかの強い仮定があるものの、現実完全なグローバル化からは程遠いと言う事が分かったのです。我々の感覚とは大分違いますね。
2022年5月19日
世界は狭くなっていない
ブリティッシュコロンビア大学のキース・ヘッド教授の論文によると
1979年代、世界中の国同士の貿易データを使った統計分析(メタ・アナリシス分析)ではニ国間の距離は遠い程貿易量はマイナス影響があり、これは国際間の輸送コストが低下し、情報技術進展でやり取りが飛躍的にスムーズな40年後の現在、マイナス効果は強くなっている0.90→90年代には0.95へ上昇しているとされています
2016年 ネット取り引きも距離の影響を受けやすい
トロント大学ベルナルド・プラムとアヴィ・ゴールドファーブによる研究で
ネット上で取り引きされたデジタル製品・サービスの量と各国の距離の関係を統計分析しました
弾性値は1.1
むしろ通常貿易量よりも弾性値が大きい
特に高い傾向はアニメ、ゲーム、ポルノなど特に嗜好性の高いデジタル・コンテンツ取り引きで顕著
実はスパイキーグローバル→フラット化していない
ベンチャーキャピタルの国債投資を統計分析した結果、むしろローカル化する傾向
→何故なら起業家に頻繁に会う必要があり、投資後の経営をチェックし、様々なアドバイス(ハンズオン)をするため距離の近いスタートアップに投資しがち
ハーバード大学ポール・ゴンバースとジョシュ・ラーナーの推計ではスタートアップ企業とリーディング・インベスターであるベンチャーキャピタル企業の距離の中位置はわずか94キロだったそうです
このためシリコンバレー、ボストン、シアトルなどの特定地域にVC投資が集中する=スパイキー化が起きる

しかし近年、海外との交互投資が増えてきた
グローバル化とローカル化が同時に起きている
→スパイキーな国際化と新しい国際化のパターンの提示

国同士ので起きるのではなく、ある特定の地域と別の国(の特定の地域)で集中して起きている。
アメリカと中国ではなく、シリコンバレーと台湾の新竹
台湾とカリフォルニア州
インドとニューヨーク州
イスラエルとニュージャージー州(バイオベンチャー)
※参考引用:世界標準の経営理論 入山章栄著

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